玉が出てこない。困ったアバくんは呼出ボタンを押した。
そして、店員さんを待つ間に缶コーヒーを買いに行った。
戻ってきた時には、近くに店員さんの姿がない。
アバくん呼んだのに来てない。俺の呼び出し、無かったことにされた?
ヤバくん店員さん、来てたぞ。
アバくんじゃあ、何で対応してないんだよ。
ヤバくんお前がいなかったからだよ。
呼んだ人と、呼ばれた人。会えそうで会えない二人の話が始まった。
台は待っていた。本人はいなかった
アバくん台はいたじゃん。
ヤバくん台に用件を引き継いだのか?
アバくんボタン押したんだから、察してくれよ。
ヤバくん呼ばれたことが分かっても、何に困ってるかまで全部伝わるわけじゃないだろ。
アバくん俺の台なんだから、俺が困ってるに決まってる。
ヤバくんそこまでは分かった。何に困ってるんだ?
アバくん玉が出なかった。
ヤバくんその一言を、店員さんに聞かせてほしかったな。
呼出ボタンは、対応をお願いする入口だ。ただ、ボタンだけでは用件の詳しい内容まで伝わらないことがある。
玉が出ないのか、カードについて聞きたいのか、忘れ物を見つけたのか。本人から一言聞ければ、何を確認すればよいかが分かりやすくなる。
今回のアバくんは、その一言を持ったまま自販機へ向かっていた。
缶コーヒーは捜索用の目印ではない
アバくんすぐそこにいたんだけどな。コーヒー持ってる俺、見えなかった?
ヤバくん缶コーヒーは位置情報を発信しないんだよ。
アバくんでも俺、何度も来てるぞ。
ヤバくん常連になると居場所が共有される仕組みなのか?
アバくん顔ぐらい覚えてるかもしれないだろ。
ヤバくん顔が分かっても、自販機に行ったとは限らないだろ。トイレかもしれないし、帰ったのかもしれない。
アバくん俺の行動、そんなに候補ある?
ヤバくん呼んだ直後に消える時点で、予想は難しい。
席を外した本人には、「すぐ戻るつもりだった」という事情がある。
でも、対応に来た側がその事情を知っているとは限らない。誰が呼んだのか、戻ってくるのか、何を困っていたのか。その場では確認できないこともある。
これは店員さんの心を読めないという話と、向きが逆だ。こちらの予定も、言わなければ相手には見えない。
「来なかった」と「会えなかった」は違う
アバくん俺は待ったんだぞ。
ヤバくん店員さんも、お前が戻るのを少し待ってたぞ。
アバくんじゃあ、二人とも待ってたの?
ヤバくん違う時間に、違う場所でな。
アバくんすれ違いのドラマじゃん。
ヤバくん用件は「玉が出ない」だけどな。
自分が戻った時に店員さんがいなかったとしても、それだけで「一度も来ていない」とは判断できない。
一方で、ボタンを押せば必ずすぐ来てもらえる、と決まっているわけでもない。ほかの対応中だった可能性など、こちらからは分からない事情もある。
分かっていることと、まだ分からないことを分けると、次に伝える内容を整理しやすい。
| 分かっていること | まだ分からないこと | 次に伝えること |
|---|---|---|
| 呼出ボタンを押した | 用件の詳細まで伝わっているか | 何に困っているか |
| 自分は席を外していた | 不在中に対応があったか | 席を外していたこと |
| 戻った時に店員さんがいなかった | その前に確認へ来ていたか | 今も問題が残っていること |
| 呼出ランプが消えている | 消えた理由や対応状況 | 状況を尋ねること |
呼出ランプの動作や対応の手順は、設備やホールによって異なる。ランプの状態だけで、対応が済んだかどうかまで決めつけず、困っていることが残っていれば確認しよう。
店員さんには、用件の続きが見えていない
アバくん次に会ったら「さっきの件です」でいい?
ヤバくんさっきの件を、まだ説明してないだろ。
アバくんじゃあ「例の玉の件」。
ヤバくん初耳なのに、例の扱いにするな。
アバくん「玉が出なくて呼びました。途中で席を外しました。今も出ません」。
ヤバくんそれなら、何が起きてるか分かる。
アバくんコーヒーは無糖です。
ヤバくんそこから急に情報の質が落ちたな。
伝えたいのは、何が起きたか、席を外していたか、今どうなっているかだ。
「故障だと思う」「もう確認したはずだ」と原因や対応状況を決めつけるより、見たままの状態を伝えると確認につながりやすい。
たとえば、「玉が出なくて呼びました。少し席を外していたので、すれ違ったかもしれません。今も出ないので、確認をお願いできますか」で用件は伝わる。
長い説明や、立派な言い回しは要らない。相手が確認を始められる一言があればよい。
離れる必要がある時は、台を伝言係にしない
アバくんでも、待ってる途中でトイレに行きたくなったら?
ヤバくんそれは仕方ないだろ。
アバくん我慢大会じゃないんだな。
ヤバくん呼出ボタンに、そんな競技は付いてない。
アバくんじゃあ、近くの店員さんに言えるなら、台と用件を伝えて聞けばいい?
ヤバくんそう。「呼んでいるんですが、少し離れる必要があって」と相談すればいい。
アバくん言える人がいなかったら?
ヤバくん戻ってから、不在だったことと、まだ困ってることを伝えよう。
事情があって席を外すことはある。大事なのは、必ずその場から動かないことではなく、すれ違った時に説明をつなぐことだ。
離れる前に近くの店員さんへ声をかけられるなら、どの台で何が起きているかを伝え、どうすればよいか尋ねよう。声をかけられなかった場合も、戻ってから事情を説明すればよい。
用件によっては本人の確認が必要なこともある。対応方法はホールや状況に合わせて案内を受けよう。
再会のあいさつより、困っていることを
アバくん次は会った瞬間、「会えてうれしいです」って言うわ。
ヤバくんかくれんぼの再会から離れろ。
アバくん「玉が出ないので確認をお願いします」。
ヤバくんそれでいい。
アバくんコーヒー買わなければ、さっき会えたかもしれないな。
ヤバくん今回はそうかもしれないな。
アバくんこの缶、何の役にも立たなかった。
ヤバくん飲み物の仕事はしてるだろ。
呼出ボタンを押したことと、用件が伝わって対応が進んだことは、別の段階だ。
すれ違ったら、まず一言。「席を外していました。今も困っているので、確認をお願いします」。
誰かの怠慢だと決める前に、会話をつなぎ直す。アバくんの缶コーヒーより、その一言の方が役に立ちそうだ。
隣の音が気になった時の相談は、「隣、うるさくない?|アバくん、自分の台だけライブ会場にする」でも話しています。
偶然の出来事に理由を付けたくなるアバくんは、「ピースしたら当たった!|アバくん、防犯カメラにファンサを始める」にも登場します。
次の井戸端会議は、「席まで仲良くするな!|アバくん、ヤバくんの台を空き台扱い」。人がいない台に物がある時、座る前に確認する一言をアバくんが覚えます。