ハロウィンが近づいたある日。アバくんは「期待値のお化け」を退治すると大はしゃぎ。しかし本当に怖いのは、お化けよりも期待値と勝率の取り違えだった。
期待値+3,000円でも勝率25%? アバくんとヤバくんが、勝率と平均収支の違いを計算します。この記事の確率と金額は、すべて説明用の仮想モデルです。
期待値と勝率は同じではない
確率ごとの収支を掛け合わせて合計したものが期待値です。勝率は、プラス収支になる結果の確率を合計したものです。
アバくん期待値と勝率の違いを、具体例で計算しよう!
ヤバくん勝つ確率だけでなく、勝ちと負けの金額も必要だ。
アバくんハロウィンの怪談を持ってきた! 期待値+3,000円なのに勝率が低いお化けが出るんだって!
ヤバくん期待値の金額だけでは勝率は分からない。
アバくん+3,000円なのに勝つ確率が低いこともある?
ヤバくんある。勝ち負けの金額と、それぞれの確率が重要だ。
アバくん勝ったら大きい金額、負けたら小さい金額ということか!
ヤバくんお化けじゃない。勝率が低くても、勝ち負けの金額次第で平均収支がプラスになることはある。
アバくんそれって本当に計算で証明できる?
ヤバくんもちろん。二つの仮想モデルを比べよう。
アバくんカボチャの仮装より算数の方が大変になってきたぞ!
ヤバくん今回はそれでいい。期待値を正しく理解する回だからな。
モデルA|勝率25%でも期待値がプラスになる計算
アバくん勝率25%は、4分の3で負けるってことだろ?
ヤバくん仮想モデルAでは、勝つ25%のときに+24,000円とする。
アバくんたまに勝てば大きいけど、負けが多いな!
ヤバくん残り75%で負けたときは−4,000円とする。
アバくん計算は25%×24,000円か?
ヤバくんそう。勝ち側の寄与は+6,000円。
アバくん75%×−4,000円は−3,000円だな。
ヤバくん二つを足すといくら?
アバくん+6,000円−3,000円=+3,000円!
ヤバくんだから勝率25%でも期待値+3,000円というモデルが成立する。
アバくん負ける確率が高いから期待値がマイナスとは限らないのか。
ヤバくん勝つときの金額と負けるときの金額も必ず考えるんだ。
仮想モデルA:確率と収支を掛ける
| 結果と確率 | そのときの収支 | 期待値への寄与 |
|---|---|---|
| 勝ち:25% | +24,000円 | +6,000円 |
| 負け:75% | −4,000円 | −3,000円 |
| 合計:100% | 勝ちか負けの2種類 | +3,000円 |
24,000円×0.25+(−4,000円)×0.75=+3,000円。金額はいずれも投資・回収を反映した最終的な収支という仮定です。これらは実在機種の解析値ではありません。
勝率と期待値の違いを読み間違えない
アバくんでも、実際に+3,000円という結果は出ないんだよな?
ヤバくんその通り。モデルAは+24,000円か−4,000円の2結果しかない。
アバくんじゃあ平均+3,000円って、カボチャのお化けみたいに姿が見えないお金?
ヤバくんお化けじゃない。収支と確率を重み付けした数学的な平均だ。
アバくん勝率25%でも大きく勝つときの金額が平均を押し上げるのか。
ヤバくん反対に負ける75%の結果は平均を3,000円押し下げている。
アバくん大きく勝つ日があるからって、今日勝つ保証はないんだな。
ヤバくんそう。プラスの期待値と、1回の勝ち負けは分けて考える。
アバくん期待値+3,000円なら3,000円の払い戻し保証だと思ってた!
ヤバくん期待値に保証書は付いていないよ。
アバくん勝率だけ見てもダメ、平均だけ見てもダメか。
ヤバくん少なくとも両方の違いは理解しておこう。
仮想モデルAの期待値+3,000円は、1回の遊技で3,000円勝つという予告ではありません。勝つ25%のときは+24,000円、負ける75%のときは−4,000円という設定から求めた平均です。勝ち負けの頻度と、そのときの金額を分けて考えます。
モデルB|勝率60%でも期待値が+3,000円!?
アバくん負ける方が多いAより、もっと勝率が高いモデルはないの?
ヤバくん仮想モデルBを考えよう。勝率60%、勝つときは+7,000円。
アバくんおっ、勝つ方が多い! でも大勝ちは小さくなったな。
ヤバくん残り40%で負けるときは−3,000円とする。
アバくん勝ち側は60%×7,000円=+4,200円。
ヤバくん負け側は40%×−3,000円=−1,200円。
アバくん足すと……+3,000円!?
ヤバくんそう。BもAも期待値は同じだ。
アバくんAは25%で勝つ。Bは60%で勝つ。同じ平均なの?
ヤバくん勝つときの金額と負けるときの金額が違うからな。
アバくん期待値だけじゃ、勝つ頻度まで分からないってことか。
ヤバくんそのとおり。違いを比較表で確認しよう。
勝率が違っても期待値は同じ:仮想A・B比較
| 比較項目 | モデルA | モデルB |
|---|---|---|
| 勝率 | 25% | 60% |
| 勝った場合の収支 | +24,000円 | +7,000円 |
| 負ける確率 | 75% | 40% |
| 負けた場合の収支 | −4,000円 | −3,000円 |
| 勝ち側の寄与 | +6,000円 | +4,200円 |
| 負け側の寄与 | −3,000円 | −1,200円 |
| 期待値 | +3,000円 | +3,000円 |
モデルB:7,000円×0.60+(−3,000円)×0.40=+3,000円。両モデルは「2通りの結果しかない」と仮定した計算用の架空モデルです。実在機種の勝率・出玉分布を示すものではありません。
どっちが良い? 平均が同じでも中身は違う
アバくんAは大きく勝てるから、Aが一番良いんだな!
ヤバくん勝ったときの金額だけ見てどうする。Aは負ける確率が75%だぞ。
アバくんじゃあ勝率60%のBが絶対良い!
ヤバくんそれも勝率だけで決めつけてる。両方とも平均は+3,000円。
アバくん勝率も期待値も、どっちも大事なんだな。
ヤバくんああ。勝った場合の金額と、負けた場合の金額もね。
アバくん平均だけ一緒なら、実際に遊ぶ感覚は違うのか。
ヤバくんモデルAは勝つ頻度が低く勝ち額が大きい。Bは勝つ頻度が高く勝ち額は小さい。
アバくんでもこの例だけで現実の台の安全性まで判断できないよな?
ヤバくんそう。実在機種の収支分布や条件が分からなければ断定できない。
アバくんカボチャに「期待値+3,000円」と書いても、中身は分からないのか。
ヤバくん数字を比べるなら、その数字の作り方を確かめるんだ。
仮想モデルAとBは期待値が同じでも、勝率・勝ったときの収支・負けたときの収支がすべて異なります。「勝率が高い=平均利益も高い」「大勝ちする=有利」という短絡的な判断を避けるのが、この比較の重要なポイントです。
勝率25%は「4回に1回必ず勝つ」ではない
アバくん勝率25%なら、4回打てば1回は必ず勝てるんだな!
ヤバくんそれは違う。25%は1回の勝つ確率で、結果の順番を保証しない。
アバくん4回連続で負けたら、確率の計算ミスじゃないの?
ヤバくん4回全敗も起こり得る。勝率25%とは矛盾しないよ。
アバくんじゃあ4回連勝することも、あり得る?
ヤバくん確率は低くても、その可能性はある。
アバくん『4回に1回』をカレンダーに書き込んだらダメなんだな。
ヤバくんそう。平均的な頻度を、決まった勝ち順と勘違いするな。
アバくん前回負けたから、次は帳尻合わせで勝つんじゃないの?
ヤバくん同じ独立試行のモデルなら、前回の収支で次回の勝率は変わらない。
アバくん俺の財布、まだ確率の支払いが来てないんだけど……。
ヤバくん「トリック・オア・当たり!」と叫んでも、確率にツケ払い制度はないぞ!
「勝率25%」は、同じ条件を置いた1回あたりの勝ち確率の設定です。4回行えば自動的に1勝になるわけではありません。過去に負けたからといって、次の結果が補填されるわけでもありません。
実際のパチンコは2種類の結果では収まらない
アバくんじゃあ実際のパチンコは、勝率と勝ったときの額が分かればいい?
ヤバくん現実には収支の結果がたくさんある。2択に単純化できるとは限らない。
アバくん初当たりやRUSH、LTに入るかどうかでも変わるよな。
ヤバくんそう。出玉や投資、回転率、交換率、遊技時間でも収支の条件が変わる。
アバくん1/319.7で当たる台なら、勝率も1/319.7になる?
ヤバくん違う。大当たりの抽選確率と、最終的にプラス収支で終える確率は別物だ。
アバくん期待値ツールに+3,000円と出たら、勝率25%と読んじゃダメなんだな。
ヤバくんもちろん。期待値だけから勝率が一意に決まるわけじゃない。
アバくんじゃあ勝率を知りたければ、収支ごとの確率が必要?
ヤバくんそう。全部の結果をモデル化し、それぞれの確率と金額を検証する必要がある。
アバくん数字が足りないのに勝率を当てずっぽうで言うのはやめるよ。
ヤバくんそれが一番大切だ。根拠のある数字と仮定は分けよう。
実際のパチンコの収支分布は、初当たり確率、RUSH・LTへの突入、出玉、回転率、投資額、持ち玉、交換条件、稼働時間、終了ルールなどで変わります。大当たり確率をそのまま「1日の勝率」と読み替えることも、期待値の金額だけから「勝率25%」と逆算することもできません。
実際の収支の記録方法については、期待値と実収支を分けて振り返る記事を参考にしてください。本記事では、記録機能の使い方ではなく、あくまで収支確率から平均を計算する数学的な仕組みに絞っています。
まとめ|期待値は平均、勝率はプラス収支の確率
アバくんよし! ハロウィンの合言葉は「トリック・オア・期待値!」だ!
ヤバくんお菓子より先に、期待値と勝率の違いを答えてみろ。
アバくん勝率25%で+24,000円、75%で−4,000円なら期待値+3,000円!
ヤバくん正解。じゃあ勝率60%で+7,000円、40%で−3,000円なら?
アバくんこっちも期待値+3,000円! でも勝つ頻度は違う!
ヤバくんよし。平均の金額と勝つ確率は同じ数字じゃない。
アバくんじゃあホールで「お菓子か期待値3,000円分ください!」って言うのはダメ?
ヤバくんダメだ。期待値はお菓子でも商品券でもないぞ。
アバくんじゃあお菓子の代わりに、俺の学習期待値を+3,000点にして!
ヤバくん自分の採点までハロウィン仕様に盛るな!
アバくん分かった。勝率も期待値も、条件を確認してから判断する。
ヤバくんその姿勢が身につけば、今日の勉強は成功だな。
期待値=すべての結果の「収支×確率」の合計。 勝率=収支がプラスになる結果の確率の合計です。同じ期待値+3,000円でも、勝率25%と60%という違う仮想モデルが成立します。
計算を確認するときは「勝率」「負ける確率」「勝ったときの収支」「負けたときの収支」「どこまでを1回の遊技とするか」を混同せず整理しましょう。期待値の基本的な条件はパチンコ期待値の見方・計算方法でも確認できます。
前回は期待値5,000円の遠征費を考える井戸端会議でした。今回はその一歩先として、平均と勝率を数式で比べました。
※登場人物・会話・金額・確率は説明用の創作と仮想例です。特定機種の勝率・解析情報・利益を示すものではありません。期待値は将来の収支を保証しません。
続編:期待値+3万円でも10回で赤字!?|10〜300回の累計赤字確率を比べるハロウィン編。前回の仮想A・Bモデルで試行回数を増やしたときの最終赤字確率と、その限界を計算します。
今回登場した重要語句
今回登場した重要語句の意味は、用語集で確認できます。読み終えたら、ブラウザの「戻る」でこの記事に戻れます。