トイレから戻ってきたアバくん。隣の台が大当りしているのを見て、なぜか誇らしげです。
アバくん、新しい能力に目覚める
アバくん俺が席を立った瞬間、隣が当たった。
ヤバくんおめでとう、隣の人。
アバくんそこじゃない。俺が立った。隣が当たった。この順番だ。
ヤバくんトイレの報告に伏線を付けるな。
アバくん俺が座ってたら、当たってなかった可能性あるぞ。
ヤバくんお前は台の前に座る電波障害か。
アバくん逆に言えば、俺が離れたことで流れが変わった。
ヤバくんお前の膀胱にそこまでの権限はないだろ。
席を立った後に、隣が当たった。その出来事はあったとしても、そこから「自分が席を立ったから当たった」まで一気に進めるでしょうか。
今回の話は、隣の台の抽選を解読する話ではありません。目の前で起きた出来事に、アバくんが勝手に自分の役割を作ってしまう話です。
「その後に起きた」が「そのせいで起きた」になる
アバくんでも、タイミングが完璧だったんだよ。立って、歩いて、後ろから大当りの音。
ヤバくんそれで分かるのは、歩いてる時に音が聞こえたことだな。
アバくんずいぶん地味にするじゃん。
ヤバくんお前が勝手に壮大にしたんだよ。
アバくんじゃあ、俺が立たなかった場合は?
ヤバくん今の一件だけでは分からん。同じ場面で、立った場合と座ったままの場合を両方見たわけじゃないから。
アバくん座りながら立てってこと?
ヤバくん変な筋トレを始めるな。見ていない方の結果を、都合よく決めるなってこと。
「席を立った後に当たった」は、出来事の順番です。
「席を立ったことが当たりを呼んだ」は、原因についての説明です。
順番が分かっただけで、原因まで分かったことにはなりません。 「自分が座っていたら外れていたはず」という部分は、アバくんが後から足した物語です。
当たった離席だけ、立派な実績になる
アバくんいや、前にもあったぞ。飲み物を買いに行った時も、隣が当たってた。
ヤバくん当たってなかった時は?
アバくん何も起きてないから、覚えてない。
ヤバくんそこが丸ごと抜けてるんだよ。
アバくん成功事例だけを集めた資料ならある。
ヤバくん離席の営業パンフレットを作るな。
アバくん「お客様の喜びの声。私が席を離れた直後、大当りしました」
ヤバくん隣の人からコメントを取ったみたいに書くな。
当たりの音が鳴った離席は、印象に残ります。一方、席を立って戻ってきても何も変わっていなかった場面は、話のネタになりません。
そこで「覚えている離席は、どれも隣が当たっている」と言っても、そもそも当たった離席だけを覚えていたのかもしれません。
確かめたいなら、「当たった時に何をしていたか」だけでなく、「その行動をした時、当たらなかったことも含めてどうだったか」が必要です。
| 見かけた場面 | アバくんの解釈 | そこで確認できること |
|---|---|---|
| 席を立った後、隣が当たった | 俺が当たりを呼んだ | 離席の後に大当りを見聞きした |
| 席を立った後、隣は当たっていなかった | これは実績に含めない | 当たらなかった離席もあった |
| 座っている間に、隣が当たった | 俺の応援が届いた | 座っている間にも大当りがあった |
| 座っている間に、隣は当たっていなかった | やっぱり俺が立つべきだった | その間、大当りを見聞きしなかった |
どの場面でも自分の説明を正解にできるなら、その説明は何を確かめているのでしょう。
アバくんの説では、立っても能力。座っても能力。何も起きなければ、まだ能力を使っていないだけです。
ずいぶん便利な能力です。
ついに離席料を請求し始める
アバくん分かった。次から離席料を取る。
ヤバくん何も分かってない。
アバくん基本料金で席を立つ。追加料金で飲み物を買う。トイレは長めだから上位プラン。
ヤバくん自分の用事を商品にするな。
アバくん当たらなかったら「今回は流れが届きませんでした」。
ヤバくん料金を取る時だけ断言して、結果が出ないと急にふわっとするな。
アバくんじゃあ、無料で立つ。これなら文句ないだろ。
ヤバくん普通にトイレへ行けば、最初から誰も文句ないんだよ。
隣が当たると「自分がやめたら当たるのでは」「自分が座る場所を間違えたのでは」と、急に自分の判断が気になることもあります。
けれど、隣の大当りを見たことだけでは、自分の離席が原因だったとも、自分が座り続けるべきだったとも分かりません。
悔しい気持ちと、そこから何が言えるかは、分けて考えられます。
アバくんの離席より、説明の動きを見る
アバくんでも、次に立った時も隣が当たったら、さすがに認める?
ヤバくんまた印象的な一件が増えた、とは言えるな。それだけで原因まで認定はできない。
アバくんじゃあ座ってて当たったら?
ヤバくんお前が立たなくても当たる場面を見た、ってことだ。
アバくん俺、立っても座ってても話の中心になれないじゃん。
ヤバくん隣の人の大当りだからな。
アバくんじゃあ今日は、静かにトイレへ行く。
ヤバくんよし。
アバくん戻るまでに当たったら、俺の名前を思い出してくれ。
ヤバくん最後までスポンサー気取りか。
前回、アバくんは「押さなかった左手」に外れの責任を押しつけました。今回は、自分の離席に隣の当たりの功績を付けようとしています。
向きは逆でも、足しているものは似ています。起きた出来事に、自分が納得しやすい理由を付けること。
「俺が立った直後だった!」は、笑い話としては面白い。でも、台の結果を説明する根拠にするなら、見ていない場面まで勝手に埋めないようにしたいところです。
離席料は発生しません。トイレは普通に行ってください。
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